2016/06/28 13:50
ご覧いただいた皆さま、はじめまして。
私どもは岡山県の田中酒造場と申します。岡山/兵庫/鳥取の3県境に近い地で創業130余年を迎える日本酒の小さな小さな造り酒屋です。
私どもには長年、しぼりたてを出荷する時期(=春先)ご近所の方々だけで終売になってしまう濁酒「おり酒」がございました。
日本酒をつくる時、しぼった後タンクで1週間から10日置けば、しぼり袋の織り目から押し出された溶けたお米が沈殿して「おり引き」という工程が発生します。上の澄んだ部分が一般的なお酒で、「おり酒」はその沈殿した部分を集めて商品化したものです。量はほんのわずかしかできません。
宣伝をしないのに、毎年少しずつご注文が増え「ご予約」だけで手一杯に。
直売店でさえ店頭に並ぶ時間がほとんどなく、ご不便をおかけしておりました。
そこで数年前より「おり酒」にかわって「にごり酒」を誕生させました。
今年はさらに夏まで持ち越した「にごり酒(火入れ)」に挑戦。 限定発売します!
充分さました蒸米と酵母(こうぼ)麹(こうじ)水をタンクに仕込んだ状態を「もろみ」と呼びます。←「お酒造りの工程」ご紹介(当場HP)はこちら
「にごり酒」はこの「もろみ」をしぼり袋より目の粗いものであらごししたものです。
お米の粒やざらつきはありません。口にしたとき溶けたお米のまったりとした感触に驚かれると思います。
最初の、澄んだ清酒にないまったり感、でも甘ったるいわけでなくやや辛口のきりっとしたお酒の旨み、があいまって、「一口で2度おいしい」と仰った方もおられました。 「普段は日本酒飲まないけど、コレだけは飲めるの」と仰っていただくこともしばしば。 お酒としてのお味も評判です。
今回の夏向き商品「にごり酒(火入れ)」は、殺菌作業である「火入れ」をしておりますので酵母は生きておりませんが、多少の炭酸ガスを含んでおります。瓶をゆっくりまわして沈殿物を攪拌し、慎重にふたを何度も開けたり閉めたりしながら瓶にたまったガスを徐々にぬいてください。
勢いよく瓶を振ると、中身が飛び出すおそれがありますので、お気をつけください。冷蔵庫で保管し、お早めにお飲み下さい。
原酒タイプでアルコール度数が高め(19度)ですので、飲みすぎには注意しましょう。 お好みで氷を浮かべても大丈夫ですよ。
澄んだお酒にはない、まったりしたなめらかな口ざわり、そして意外に「やや辛口」のきりっとしたお味。
こんなお酒もあったのか!と新発見間違いなしです。
にごり酒が初めての方はもちろん、しぼりたて時期のにごり酒は知っているけど、夏に!?とお思いになる方も、是非おためし頂ければと存じます。 ありがとうございました。